豚骨スープ、鶏がらスープ、和風スープと基本は3種類だが、その他ダシを使用して様々なバリエーションがある。下記は共通の用語集。

【アク】
アクはさまざまな成分が混ざり合っているものである。主体はガラや肉から溶け出た不飽和脂肪酸(酸化しやすい)やタンパク質で加熱していると固まる性質のものである。これがスープの表面に浮くのはタンパク質が凝固する時に酸化して生臭い臭いの元になる脂肪や余分の油分などを中に抱え込むためだ。 油は水よりも軽いのでスープの表面にアクが浮きます。西洋料理などでスープを取る時玉子や殻がアク取りに使われる。これもタンパク質が凝固する際、不飽和脂肪酸を吸着する性質を利用したものです。固まったタンパク質や酸化した脂肪は放置しておくと細かく砕けてスープの中に分散してしまいスープが汚く濁る原因となる。 また嫌な臭いの元になる。スープを濁らせない為には浮いたアクはこまめにすくい取った方が良い。この濁りは豚骨スープにゼラチンができて油が白濁するのとは違うので気を付ける必要がある。
【アリイン】
グルタミン酸、イノシン酸に次ぐ旨味の成分で加熱することによってグルタミン酸、イノシン酸の旨味が増加するとされている。この成分はネギや大蒜に多く含まれており、ラーメンのスープやタレを調味するときに大蒜やネギを多用することの意味は経験的にここに存在する。
【合わせスープ】 【ダブルスープ】
調味したいスープの食材の酸化速度の違いの関係で一緒に調理をはじめられない場合、別の鍋で時間をずらして加熱をはじめて、異なる食材の完成時間を同時にする場合に、この方法をとる。トンコツと鶏ガラ、トンコツと魚系のダシなどを合わせるケースが最近増えている。
【煎り酒】
魯山人秘伝といわれています。日本酒一合に対して梅干しを一個、入れ、これを沸騰するまで強火で煮て、後は水気が半分になるまで弱火で煮つめるだけです。この梅のエキスがでた煎り酒を、器にとっただし汁に加えたら出来あがりです。さっぱりとした上品な味。
【追い焚き】
寸胴のだしスープが減ってさらに水とガラなどを追加してスープをふやすこと。こってりタイプのスープとりに向く。すっきり澄んだ方式では寸胴をいくつも用意して使い切りが多い。
【コラーゲン】
ニカワの性質を持つ繊維構造状のタンパク質の一種で、髪の毛、爪、筋肉、軟骨、靭帯、骨、歯ぐき、歯、目、および血管等の主要構成要素であり、欠くことのできないものである。人間の体を構成するタンパク質のうち、約1/3をコラーゲンが占めている。コラーゲンは皮膚の内側から作用して美肌を作る。
豚の腱や軟骨などに含まれ、水に入れ過熱するとゲル化して水溶性のゼラチンに変わる。鶏ガラにも含まれる。
【清湯スープ】
スープを作るときに寸胴の中を沸騰させずに80度くらいで煮込むと透明なスープが出来る。これを清湯(ちんたん)スープと呼ぶ。1番出汁を上湯(しゃんたん)、2番出汁を下湯(しゃたん)と言う。
とりがらがベースのスープを指す場合もある。
【スープストック】
完成したスープを常温、冷蔵、冷凍などの状態でストックすること。
【湯(たん)】
中華で使う、とりがらがベースのスープ。種類としては澄んでいるものを清湯(チンタン)、濁っているものをナンタン、肉類など動物食品から取るものをホウタン、野菜など精進料理の材料からとるものを素湯(スウタン)という。
【血抜き】
鶏ガラ、豚骨を下ゆでしたり流水にさらすことによって、血を取り除く作業。スープの濁りの原因になる。
【白湯】(ぱいたん)
透明な清湯スープに対して、非常にコクのあるスープで、白濁している。主に豚骨をたっぷりと使い、長時間煮込んで作る。白濁するのは、油が乳化しスープによく混ざるため。
【乳化】
水と油が結合した状態を乳化という。スープのだしを作る時点であぶら分が湯にとけて白濁すること。白濁させず弱火でとコトコト浮いたあぶらをとりながらあっさりスープにするとり方もある。科学的には、コラーゲンがゼラチンに変化して、水と油のつなぎ役となる「乳化剤」の役目をはたし、乳化を促進させる。

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