ガラスープ素材のウンチク 臭い消し編
骨、主に豚骨を使用するスープでは、臭い消しが必要。それにふさわしいのが、玉ねぎ・ニンニク・生姜となる。生姜には、肉や魚の生臭さを消す成分が含まれているので、その効果は大きい。ニンニクや玉ねぎのような辛味と独特の臭いを持つ野菜を煮ることでその香り成分が甘味成分に変化しスープにほどよい甘味をつけてくれる。このように甘味を出すには、砂糖などを加えず、野菜でまかなうのが一番である。
【野菜】 ![]() 【果物】 ![]() |
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香味野菜のほかに手軽に手に入る葉野菜や根野菜類などもスープの材料として使われる。こうした野菜類に共通しているのは加熱する事により甘みが出ることです。ラーメンの味の特徴は脂だから砂糖のような甘みが入るとくどくなる。ところが野菜から出る自然の甘味はうまく脂となじむ。 玉ねぎも長ネギと同様に刺激成分の硫化アリルが多く含まれるがこの成分は加熱するとピルメルカプタンという甘味成分に変化する。この甘味成分は急激に加熱すると甘味が多くなる。ゆっくり加熱した場合は硫化成分が揮発する為、甘味が少ない。したがってスープの個性で水から入れるか沸騰した状態で入れるかが違ってくる。 又、煮すぎたり炒めすぎたりと熱を加え過ぎると崩れてドロドロした感じになってしまう。これはラーメンの感触と相容れない部分が出てくる。この為、大きな寸胴でスープを取る時は丸のまま芯をつけた状態で入れ煮崩れを防ぐようにすると良い。 スープにはその他補助的に人参、じゃが芋、セロリなどといったものが使用出来る。これらの野菜はスープに甘味をつけると共に臭い消しにも役立つ。但し、野菜が溶けてしまうまで煮るとスープが濁ってしまうので煮崩れる前に引き上げることが必要です。 キャベツの芯やりんごなども甘味づけには良い。 | |||
スープに使われる野菜は人参、玉葱、長ねぎ、生姜、ニンニク、キャベツ、じゃが芋といったもの多い。洋風料理でスープを取る時は味を良くする為に香味野菜(ミルポワ)が使われるがラーメンの場合は風味をつける働きより、どちらかというと肉の臭みを消す役割で野菜を使うことが多い。 まず、玉葱、人参やじゃが芋は甘味を出す為にいい働きをするがそれ以外にも玉葱には臭い消しの働きもある。生姜や長ねぎは材料の臭みを消すと共に良い香りと旨味を出すのでほとんどの店で使われている。 | ||||
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【ジャガイモ】 カロリーの低さが特長。同じ分量のごはんと比べるとそのカロリー量は約半分と意外な結果である。次に特長的なのは、ビタミンCが加熱に強く、調理による損失が少ないことである。煮込んでも、炒めてもビタミンCをしっかり摂取できることは、栄養的にみても大きなメリットである。メ−クインは粘質があり、かたくずれもしにくいので煮込み料理、男爵はホクホクした食感を楽しめるコロッケなどに向いている。ただ、調理のときはじゃがいもの芽や皮の青い部分はしっかり取り除かないと、その部分には「ソラニン」という有害物質があり、多量に摂取すると下痢や目まい、ひどい場合には胃腸系の中毒症状を起こす。 |
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【セロリ】 独特の香りの香味野菜、セロリは食物繊維が豊富な健康野菜です。ビタミンB1、B2、C、カロチンを含み、カルシウム、鉄分、マグネシウムなどのミネラルも含まれています。疲労回復・強壮作用があり高血圧やストレス、慢性関節リウマチなどに効果があると言われる。また、胃腸の調子を整える働きもある。あの独特の香り成分が口の中をさっぱりとしてくれるので、こってりした料理を食べたあとにセロリを食べれば口がすっきりする。しかし、「セロリ」独特の苦味が苦手な人が多く、嫌いな野菜の上位である。茎よりも葉に栄養成分が多く含まれるので、生のまま丸ごと食べるのがオススメである。茎のやわらかい部分は、生でスティックサラダなどが良いでしょう。ちなみに、外側のかたい筋は包丁で取り除き、繊維を断つように斜めにして切るとよい。もし、臭いが苦手な人は他の野菜や果物と一緒にミキサーにかけて、ジュースにすると飲みやすい。 ■セロリと日光浴の関係 セロリをたくさん食べ過べてから長時間の日光浴をするのは避けたほうがよいと言われている。なぜかというと、「セロリ」にはソラレンという物質が含まれているから。このソラレンという物質は、日光の吸収力を高めるため、皮膚に炎症が起こる恐れもあるのだとか。 |
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【にんじん(人参)】 疲労に効くビタミンB1、C、鉄、カルシウム、食物繊維も含まれ、栄養豊かな野菜です。中でも注目すべき栄養素は”ビタミンA”。野菜の中では体の中でビタミンAに変換されるプロビタミンAはβカロチンとして存在していますが、そのβカロチンを最も多く含む野菜のひとつです。カロチンという言葉はラテン語で「にんじん」を表す、というほど「にんじん」とカロチンは切っても切れないもの。ビタミンAはもともと、夜盲症を改善するビタミンとして発見され、動物の成長や視力には欠かせないビタミンです。ちなみに、”レチノール”はビタミンAの1種で、皮膚の新陳代謝を活発にし、肌荒れや老化を防ぐ効果があるとして注目されています。ビタミンAは油に溶けやすく、炒めたりして油と一緒に採ることで体内で吸収されやすいという特徴を持っている。 ■にんじんの葉 「にんじん」の葉には、根に含まれていないビタミンCや、カロチンが含まれている。なんと、カロチンの含有量は、根の部分より多いとのこと。たいていは、捨てられてしまう「にんじん」の葉。ジュースにしたり、細かく切って油で炒めてしょうゆやみりんなどで味付けを工夫して、食べてみるのも良いのでは。 ■にんじんと高麗人参 「にんじん」と漢方薬に使われる「高麗人参」は全く別種の植物である。野菜の「にんじん」はセリ科だが、「高麗人参」はウコギ科の多年草でウドと同じ仲間と言われている。「薬用人参」「朝鮮人参」などは、すべて「高麗人参」を指しているそうです。日本に渡来したのは「高麗人参」のほうが先で、その後にヨーロッパから形がよく似たセリ科の野菜『にんじん』が伝えられたとのこと。 |
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ネギには硫化アリルという刺激成分がありこの香りには動物性の異臭を消す効果があるため、豚骨や鶏ガラ、節類でスープを取る時使われる。硫化アリルの刺激性香りは空気に触れると酸素で分解されて香りを発する特徴がある。 ラーメンの具に刻みネギが良く使われるがこれには硫化アリルの働きといった科学的な裏づけもある。消臭効果としてはネギは生姜ほど強くないがニンニクのような強烈な香りもなくおだやかに臭いが消せ好き嫌いがあまりないのでどのラーメンにも使いやすい材料といえる。 また他の材料との相性でいうとネギは礒や醤油の味と良く合うという特徴がある。またネギに熱を加えると刺激成分の硫化アリルが甘味成分に変わる為、焼きネギやネギ脂にして使うこともある。 | |||
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【りんご】 リンゴの効能として真っ先にあがるのが整腸作用である。水溶性の食物繊維ペクチンが腸内の環境を整え、便秘の解消や下痢の回復を促してくれる。子供がおなかをこわした時などにすりおろしリンゴを飲ませる習慣は、こうしたリンゴの効能から来ている。またリンゴにはカリウムが含まれ、高血圧や心臓病の原因となるナトリウムをすみやかに排出してくれる働きがある。この他、最近発見されたリンゴポリフェノールによる抗酸化作用や、リンゴ酸などの有機酸による疲労回復など、リンゴの効能は沢山ある。 |
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【玉葱】 | ||||
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辛味と独得の臭いを持つ野菜も煮ることでその香り成分が甘み成分に変化しスープにほど良い甘味をつける事が出来る。赤玉ねぎ、葉玉ねぎ、白玉ねぎ、黄玉ねぎ・・・玉ねぎの種類はいろいろあるが、私たちがよく目にしている玉ねぎは「黄玉ねぎ」である。疲労・食欲不振・不眠・精神安定に効果がある。スタミナ食として食べるなら生食がおすすめ。独特の臭いと辛みは「硫化アリル」という成分で、消化を助け、新陳代謝を盛んにする。玉ねぎに含まれる硫化アリルは、血液の凝固を抑制する働きがあるので、動脈硬化や血栓予防、脳梗塞、高血圧の予防に効果的である。また、ビタミンB1の体内での活性を促し、疲労を回復させる効果がある。また、不眠症の人は生の玉ねぎを枕元に置くとよく眠れるそうである。調理の際に涙が出ないようにするには、繊維をつぶさないように切ることで、玉ねぎをよく冷やしてから、よく切れる包丁で切る。生をスライスしたものに、鰹節を振り掛けてポン酢をかけると、美味しく頂ける。 | |||
【エシャロット】 玉葱の仲間だが、玉葱とは違い小さな長球形で、皮をむくと中は数個に分球している。フランス、イタリア料理のソースや煮こみ時の風味づけに欠かせない食材である。もしかしたらラーメンのスープでも使っているお店があるかもしれない。食欲増進や消化吸収を助ける働きがあり、ビタミンC、Bを含む。すりおろしたものをサラダのドレッシングやカレー、シチューに入れると玉ねぎとにんにくの味と香りが楽しめ、コクや風味が出る。味噌を付けて生食すると、酒の肴にもなる。 |
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【にんにく(葫)】 【ガーリック】 植物科名:ユリ科(ネギ属の多年草で、白やピンクの花を咲かせる) 原産地:中央アジアのキルギス地方 生産地:アメリカ、エジプト、中国、韓国、フランス、日本 |
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肉や魚の臭みを取る目的で使う。 ただし入れすぎに注意しないと嫌みな味になる。 強壮、殺菌、食欲増進作用があると伝えられ、生のままスライスして乾燥したもの、粉末にしたもの等をスパイスとして用いる。 中華、仏料理の世界では欠かせないスパイスである。一年中、調味料として欠かせないにんにくの旬は夏。掘りたての新にんにくは6月〜7月に出まわる。青森県最南端の三戸郡田子町の「福地ホワイト六片」というにんにくが日本一と言われている。 | |||
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■ニンニクの特徴 ニンニクの起源は6500年も前、食用として栽培されだしたのは紀元前3000年頃、エジプトでのことだそうで、とても古い歴史を持った食材と言える。なんでも、クレオパトラが強壮剤や媚薬として「ニンニク」を使っていたとか、ピラミッドを作った労働者達が重労働に耐えるために「ニンニク」を常用していた等の伝説も伝えられている。 |
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■ニンニクの歴史 日本にニンニクが入ってきたのは、今から約2000年前。日本最古の歴史書である古事記の中にも、ニンニクが登場しているのだそだ。日常的に食されるようになったのは明治以後、一般的に肉を食べるようになるとともに、スパイスとして活用されされだしたとのこと。それから約100年経った現在、ニンニクは料理の味付けに重宝され、健康にいい食材として定着している。 |
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にんにくの特殊成分アリシンは蛋白質と結合して蛋白質の構造を変え、その消化を促進する。一方では抗菌力がすばらしく85,000倍から125,000倍にうすめても抗菌力があることが分かっている。ただし悪臭激辛である。また、にんにくは人にスタミナをつけてくれる。私たちが食物からとるビタミンB1は3時間もたつと排泄されてしまうが、にんにくはビタミンB1を無傷で体に送り込んでくれる。ニンニクは体に良いといっても、食べ過ぎると胃痛や貧血を起こしやすくなるということもありますので、ご注意を! | ||||
【生姜】 【Ginger】 ![]() 植物科名:ショウガ目・ショウガ科 原産地:熱帯アジア・インドからマレーシアにかけて |
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肉の臭みを取る目的で使う。だしスープをとる際にガラなどの臭みとりに使用。生姜にはショーガオール、ジンゲロンといった肉や野菜の生臭みを消す辛味成分が含まれているからだ。その分量は使うガラ類、量によって決めるが、度を過ぎて使うとスープの風味まで消えてしまうので注意。ショウガは、漢方薬の原料として、古くからその薬効が利用されてきた。ショウガの生の根茎は、健胃・解毒・解熱・鼻づまり、鎮咳・吐き気止めなどに有効とされている。また、ショウガの根を蒸してから乾燥させた物は、体の新陳代謝を活発にし、保温効果もよく、風邪・腹痛・下痢をはじめ、冷え性や夜尿症にまでその効きめを発揮する。 | |||
【葉しょうが(谷中しょうが)】 関西ではまずお目にかかれないのでは?東京で作られる「谷中しょうが」が有名だが、千葉・茨城・静岡産のものが多く出回る。小しょうがの一種で、種ショウガを植えつけ、発芽し小指大ほどに育ったものを葉をつけたまま収穫し、洗って出荷する。辛みはマイルド。根しょうがのほうが薬効があるが、口をさっぱりさせ、ほのかな刺激が食欲を増進させてくれる。出荷は8月頃までで、味噌を付けて食べると、酒の肴にもってこいである。 |
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【紅生姜】 | ||||
白濁した豚骨スープに紅生姜を添えることが多いがこの場合も塩味だけで豚特有の臭みを残しているラーメンなどには生臭みを消す効果が期待できる。ショウガの辛味成分は殺菌効果があるからだ。胃液の分泌を促してタンパク質や脂肪の分解を助けてくれる。また紅しょうがに混ざっている酢が旨味を増してくれるらしい。餃子にいれる場合と同じ作用である。 | ||||
【柚子】 | ||||
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海老名の「突撃ラーメン」に入っていた。また横須賀の「花櫚」にも別皿で出された。昔から「モモクリ3年、カキ8年、あほうのユズは13年」という言葉があるように、ゆずの生育には思いのほか時間がかかる。それだけ長い間、手間隙をかけて実を結ぶゆず。そのかぐわしい果実を丹念に絞り漉されてできるゆずポン酢は、鍋料理には欠かせない加工調味料のひとつである。ゆずポンの名産地として名高い高知県馬路村では、「ゆずの村ポン酢」という香り、酸味ともに申し分ない特産品を作っている。日本101村展最優秀賞にも選ばれたこのゆずポン酢のファンは高知県はもとより全国各地にいるらしい。さて、このゆずにいったいどんな栄養分があるのだろうか?果皮の比較で温州みかんの約4倍ものビタミンCが含まれている。また果汁にはクエン酸や酒石酸などの有機酸が多分にあり、疲労回復効果も期待でき、さらにヘスペリジンという毛細血管の流れを良くする物質も発見されている。 |