ガラスープ素材のウンチク 豚骨スープ編
鶏ガラと比べるとコラーゲンが多く、ゼラチン質が多量に出るのでしっかりとしたスープがとれる。また脂肪が多いのでスープの表面には、油が浮きやすくなる。しかし長く煮続けていると、浮いた油は消えスープが白濁してくる。これは、スープに溶け出したゼラチン質が乳化剤の役割を果たし、スープと分離していた油が乳化してその中に溶け込むからである。つまり白濁したスープは、乳化がうまく行われていて、これによって味がまるくなりスープの味にまた別の良さが出てくると言われている。
【ゲンコツ】 | ||||
豚のひざ間接部分(大腿骨)のこと。人の握り拳の形に似ているのでこの名前がついてる。他の部分よりも骨髄が多いのが特徴。骨髄に多く含まれているタンパク質には、旨みのもとであるグルタミン酸が多く含んでいる。コラーゲンと呼ばれる物質を含んでいて長く煮込むとゼラチン質に変化し脂肪を乳化させて料理の味をまるくする。また、この部分はトンコツの部位の中でも豚頭と並んで特に骨髄が多い部分であり、質の良い骨髄が長時間にわたってよく取れこってりとしたスープを取るには、欠かせない材料の一つである。使う時はゲンコツを金槌で叩いて割り旨味が出やすくするのがコツ。そのままだと中身がつまっているので熱が通りにくく旨味の抽出に時間がかかるからだ。それでも調理時間は必要で9〜10時間は最低かかる。九州系のラーメンで多く使われる。 | ||||
【アバラ・背骨】 | ||||
ゲンコツに比べて安い。すぐに良いダシが出るが長続きしない。 背ガラは、豚の首から背中にかけての骨。背骨部分はしっかり血ぬきをする必要がある。 | ||||
【豚足】 | ||||
ゲンコツに加えて味の深みを出す時などに使います。じわじわと濃い旨味がでますが充分な下処理(掃除・洗浄)が必要。 | ||||
【豚頭】 | ||||
質の良い骨髄がよく出ます。生々しいので、使う時は、客側から見えないようにしてほしい。結構見かけますので。(私は大丈夫なのですが妻はNGのようです) | ||||
【豚骨醤油】 | ||||
豚骨ベースで乳化した醤油味のスープ。略して豚醤。東京での豚骨の強い醤油ラーメンを呼ぶ場合が多い。豚醤ではスープをとる際に固形化した豚の背脂をラーメンに振りかける(背脂チャッチャ系)ものも多い。 | ||||
【豚醤背脂】 | ||||
豚骨ベースで醤油味。しかも背脂が浮いたスープ。 |